ゲーム業界とメタバースの親和性、その先にある未来
メタバースと言えばFacebookが社名をメタにしたことが2021年の最も象徴的なことがらになりました。2022年になって聞きなれなかったメタバースというワードはたびたび注目されており、徐々に一般用語として定着してきています。
ゲーム業界に所属している人であればメタバースの世界観は既視感に満ちた世界です。ブロックチェーンを使用したゲームが目に付く人も少ないかもしれませんが、相性の良さを物語っていると考えられます。
バンダイナムコグループがメタバースへの強化を発表したことも大きな話題になりました。
ガンダムがメタバースの世界に登場することを考えるとワクワクしますね。
ガンダム、メタバースに立つ 開発に150億円 バンナム中期計画 – ITmedia NEWS
日本語にすると分散型自立組織という分かりづらさが際立つDao(ダオ)はゲーム内ギルドと非常によく似ています。プログラマーの方はDaoと聞くと別のDao(Data Access Objec)を思い浮かべますが全然こちらは違います。
暗号資産がそもそもゲーム内の仮想通貨に近い。というか、仮想通貨はスコープは異なりますが、暗号資産とかなり近いように感じます。日本の場合は資金決済法があるため、ゲーム内通貨、仮想通貨をゲームに取り入れているゲームがソーシャルゲームなどとても多く、日本のゲームユーザはより身近に仮想通貨を理解できるのではないかと思います。
プロジェクトの現場で音声を中心とした街でコミュニケーション可能なギャザーを用いている例もいくつか見られます。というか自分も少し使用しています。オンラインコミュニケーションは進化をしていく中で、コロナ禍で普及したZoomなどのオンラインコミュニケーションは加速度的に増加して、メタバースの世界に向けて広がっていっています。
NFT業界のコミュニケーションにおいてデファクトスタンダードになっている音声チャットDiscode(ディスコード)も、そもそもはゲームユーザたちのコミュニケーションツールとして成長してきた歴史があります。
先日OffTopicのみやたけさんとオンラインイベントをされていた徳力さんの記事がとても参考になったのでリンクを貼っておきます。
世界が注目する「メタバース」で、日本企業は独自の存在感を見せることができるか(徳力基彦) – 個人 – Yahoo!ニュース
記事の中で触れているのがF2P(基本無料でプレイできる)コンテンツであるバトルシューティングゲーム、Epicgamesのフォートナイトです。ゲームのプラットフォームをゲームとしてだけではなく、コンサートやコミュニケーションの場として利用される状況も、来たるべきメタバースの先駆けとして、そこに萌芽を確かに感じ取ることができます。
Epicgamesでは、無料で使用可能なRESTを中心とするAPIを数多く公開しています。こうしたサービスも今後のメタバースの拡張をにらんでいると受け止められます。
ただより高いものはない。
日本企業もこれを無料だからと言って使っていると、プラットフォームをGAFAに支配された現在の状況と同じ状況がWEB3においても展開されることにもう少し自覚的になるべきです。
Web3が本格的に到来し、メタバースという世界観に支配された時、日本のゲーム産業は太刀打ちできるのかどうかも気になります。
今や、規模や速度や技術力を含めたゲーム開発においては、巨額を武器に中国系企業の力の前に日本の企業は、技術力でも資金面でも対抗するのが難しくなってきました。
コンテンツやIPにおいては先行の理がある分、日本企業も持ちこたえていますが、今後加速するWEB3においては、速度も力も太刀打ちできなくなってしまい、巨大な龍に飲み込まれていくかもしれません。考えたくない状況ですが、GooglePlayストアやAppleストアのランキングをよく見ると、IPもの以外はほとんどが中国系のゲームに占められている事実に気がつきます。もうすでに、我々の足元には確実に、パラダイムシフトが始まってしばらく経っている、と考えるのが冷静な判断なのかもしれません。
参考にしたWebサイト・コンテンツ
社説/メタバースの主導権争い ゲーム産業の強みを生かせ | 日刊工業新聞 電子版
メタバースは世界の大企業も注目!ビジネス・エンタメの常識を変えうる技術の詳細とは? – ワークプレイスDX
世界が注目する「メタバース」で、日本企業は独自の存在感を見せることができるか(徳力基彦) – 個人 – Yahoo!ニュース